家計簿を始めても、いつの間にか続かなくなってしまう……そんな経験はないだろうか。
実は、毎日細かく記録するよりも「ざっくり管理」の方が、長く続く家計簿になるのだ。
この記事では、ノート1冊で気軽に始められる「ざっくり家計簿」のつけ方と、習慣化のコツをわかりやすく紹介する。
費目をシンプルにまとめて、1,000円単位で記入するだけ。
面倒なルールを減らすことで、自然とお金の流れが見えるようになる。
「家計簿が続かない」を卒業して、自分に合ったゆるいお金の管理を始めよう。
ざっくり家計簿とは？ノートで始めるゆるい家計管理
ここでは、家計簿をつけるのが苦手な人でも気軽に始められる「ざっくり家計簿」について解説する。面倒な記録や計算を最小限にして、ノート1冊でお金の流れをしっかり把握できる方法を紹介する。
そもそも「ざっくり家計簿」ってどんなもの？
ざっくり家計簿とは、細かく書き込むことを目的とせず、支出の全体像を大まかに把握する家計簿のことだ。「きっちりつける家計簿だと三日坊主」という人でも続けやすいのが大きな特徴である。
たとえば「食費 3万円」「日用品 1万円」など、金額をざっくりまとめるだけでも十分に家計の流れが見えてくる。
大切なのは“すべてを正確に書くこと”ではなく、“お金の使い方の傾向を知ること”である。
🟨 従来の家計簿：1円単位で記録
→ 説明文：細かいが手間が大きい
🟩 ざっくり家計簿：100円・1,000円単位でOK
→ 説明文：計算が楽で続けやすい
🟦 従来の家計簿：毎日記入が前提
→ 説明文：記入忘れで挫折しやすい
🟧 ざっくり家計簿：週1回・月1回のまとめ記入でOK
→ 説明文：忙しくても対応できる
🩵 従来の家計簿：費目を細かく分類
→ 説明文：精緻だが運用負荷が高い
🩶 ざっくり家計簿：「固定費」「変動費」など大まかでOK
→ 説明文：全体把握に集中できる
こうした自由度の高さが、ざっくり家計簿が支持される理由のひとつである。
ノートでつけるメリットと続けやすさの理由
家計簿アプリも便利だが、ノート家計簿には手書きならではの良さがある。手で書くことで「実際にお金を使った感覚」が残りやすく、自然と支出への意識が高まる。ノートはいつでも見返せ、通知に惑わされず集中できる。
「ノートに書く＝思考を整理する」効果もあり、感覚的に家計を見直しやすい。
🟨 メリット：継続しやすい
→ 説明文：ノートに書くだけなので手軽
🟩 メリット：達成感がある
→ 説明文：書いたページが増え努力が見える
🟦 メリット：柔軟に書ける
→ 説明文：自由にイラストやメモを追加できる
完璧を目指さず“ざっくりでいい”と思えることが、家計簿を続ける最大のコツである。
ざっくり家計簿を続けるための基本ステップ
ざっくり家計簿は、ルールをきっちり決めすぎないことが長続きの秘訣である。ここではノートを使って無理なく続けるための基本ステップを紹介する。
1. フォーマットを決める（ノート選びから始めよう）
まずは、自分に合ったノートを1冊用意する。家計簿専用でも、普通の無地でも構わない。ページを大まかに「収入」「支出」「メモ」に分けておくと整理しやすい。
最初から完璧なフォーマットを作る必要はない。
🟨 ノートの種類：方眼ノート
→ 説明文：線が引きやすくレイアウトを作りやすい
🟩 ノートの種類：無地ノート
→ 説明文：自由に書けてストレスが少ない
🟦 ノートの種類：リングノート
→ 説明文：ページを開いたまま書きやすい
重要なのは「書きやすさ」である。好きな文房具を使えば気分も上がる。
2. 費目は大まかでOK！ざっくり分けるコツ
費目を細かく分けすぎると続かない。「食費」「固定費」「日用品」「特別費」など、ざっくり分類で十分。迷った項目はすべて「雑費」にまとめてもよい。
“完璧に分ける”より“続ける”ことを優先する。
🟨 おすすめ費目例：食費
→ 説明文：外食・スーパー・コンビニなど
🟩 おすすめ費目例：固定費
→ 説明文：家賃・光熱費・通信費など
🟦 おすすめ費目例：日用品
→ 説明文：生活雑貨・消耗品
🟧 おすすめ費目例：特別費
→ 説明文：イベント・美容・交際費など
ざっくり家計簿では「分かればいい」くらいがちょうどよい。
3. 1,000円単位で書くとラクに続く
金額は1円単位ではなく、1,000円または100円単位で書く。298円は300円、1,180円は1,000円といった具合に端数を丸める。計算ストレスを減らせば継続しやすい。
🟨 買い物内容：牛乳
→ 説明文：実際 178円／記入例 200円
🟩 買い物内容：洗剤
→ 説明文：実際 356円／記入例 400円
🟦 買い物内容：夕食の外食
→ 説明文：実際 2,680円／記入例 3,000円
端数を気にしすぎると続かない原因になる。
ざっくり記入のルールが「継続力」を生む。
4. 月末に「ざっくり集計」でお金の流れを確認
1か月分を書いたら合計を出し、赤字か黒字かをざっくり把握する。「今月は使いすぎたな」と気づくだけでも効果がある。次月の予算に気づきを反映する。
🟨 項目：食費
→ 説明文：支出額 28,000円／メモ：外食が多かった
🟩 項目：固定費
→ 説明文：支出額 95,000円／メモ：光熱費アップ
🟦 項目：日用品
→ 説明文：支出額 8,000円／メモ：ストック多めに購入
「振り返る」ことこそが、家計簿をつける最大の意味である。
ノートでのざっくり家計簿の実践アイデア
ここでは、ざっくり家計簿をさらに使いやすく、効果的に続けるための工夫を紹介する。記録のコツやアプリ併用術で実用性は一気に高まる。
固定費・変動費を分けると全体が見える
まずは支出を「固定費」と「変動費」に分ける。固定費は毎月ほぼ一定、変動費は月によって増減する。この2つを分けることで、無理なく節約できるポイントが見える。
🟨 項目：家賃・住宅ローン
→ 説明文：固定費＝〇／変動費＝－
🟩 項目：光熱費・通信費
→ 説明文：固定費＝〇／変動費＝－
🟦 項目：食費・外食費
→ 説明文：固定費＝－／変動費＝〇
🟧 項目：交際費・趣味
→ 説明文：固定費＝－／変動費＝〇
ノートではページを2段に分けて固定費と変動費を並べると、どこを減らせるかが一目で分かる。
支出が多い月の振り返り方
支出が増えた月は「なぜ多かったか？」を簡単にメモする。「旅行」「誕生日プレゼント」「外食が多かった」など理由を残すだけで、次月の意識が変わる。
使いすぎを反省するのではなく、傾向を知ることに意味がある。
🟨 月：5月
→ 説明文：支出増＝旅行／対策＝特別費としてあらかじめ予算化
🟩 月：7月
→ 説明文：支出増＝外食／対策＝週1日は必ず自炊
「記録＋理由＋対策」を1セットにしておくと、家計の流れを客観的に見直せる。
続けるほど、自分の“お金のクセ”が分かる。
スマホアプリと併用するコツ
ノート家計簿を続けるうえで、アプリ併用も有効。口座やカードの自動取得など、手書きで管理しにくい部分を補える。銀行アプリのメモ機能で用途を残しておけば、あとでノートへ楽に転記できる。
🟨 アプリ活用例：銀行アプリ
→ 説明文：引き落とし内容をメモしノートに反映
🟩 アプリ活用例：家計簿アプリ
→ 説明文：カード利用・電子マネー支払いを自動取得
🟦 アプリ活用例：クラウドメモ
→ 説明文：気づいた支出をすぐ記録
「全部をノートで完結させよう」としないのがポイント。
手書きとデジタルを使い分ければ、無理なく家計管理が続く。
赤字になったときの見直しポイント
家計簿をつけていると、赤字の月もある。落ち込むより「どこを見直せば改善できるか」を考えるチャンスだ。ここでは具体的な見直しポイントを示す。
通信費・保険などの固定費をチェック
最初に見直すべきは固定費。スマホ・ネット・保険は契約内容の見直しだけで大きく下げられる。固定費の削減は即効性が高い。
🟨 項目：スマホ代
→ 説明文：格安プラン・格安SIMへ乗り換え
🟩 項目：Wi-Fi
→ 説明文：不要なオプション削除、料金プラン変更
🟦 項目：保険料
→ 説明文：保障内容を整理し必要最低限に調整
月に1,000円でも減らせば、年間で1万円以上の節約になる。
「固定費は一度見直すだけで長期的な節約効果がある」と覚えておこう。
食費・交際費を無理なく減らす方法
食費や交際費はバランスが難しい。無理に削ると続かない。ポイントは「使うタイミングを意識する」こと。
🟨 見直しポイント：外食
→ 説明文：週1回までに制限／自炊の日を決める
🟩 見直しポイント：交際費
→ 説明文：二次会を控える／オンライン交流を活用
🟦 見直しポイント：飲み物代
→ 説明文：マイボトル利用／まとめ買いでコスト削減
「我慢する」より「工夫する」ほうが続けやすい。
例えば、外食を減らす代わりに“作り置きレシピ”を週末に仕込めば、平日の食費も自然に抑えられる。
電気代・水道代など光熱費を工夫して節約
光熱費は「使わない」より「使い方を変える」。小さな工夫の積み重ねが効く。
🟨 項目：エアコン
→ 説明文：設定温度を1℃調整で約10%以上の節電効果
🟩 項目：照明
→ 説明文：LEDへ切替／不在時はこまめに消灯
🟦 項目：水道
→ 説明文：食器のつけ置き洗い／シャワー時間を1分短縮
節約＝我慢ではない。
毎日の意識の積み重ねが、赤字解消への近道である。
ざっくり家計簿を習慣化するコツ
どんなに簡単でも、続かなければ意味がない。継続の鍵は「完璧を目指さないこと」と「自分のペースを見つけること」だ。
完璧を目指さず「書けたらOK」で続ける
続かない最大の理由は「ちゃんと書かなきゃ」という思い込み。最初から完璧を求めると、1日サボっただけで気持ちが切れやすい。“できたらOK”の気持ちで続ける。
🟨 理想：毎日つける
→ 説明文：現実的工夫＝週末にまとめて書く
🟩 理想：細かく分類
→ 説明文：現実的工夫＝「食費」「その他」でざっくりOK
🟦 理想：きれいに書く
→ 説明文：現実的工夫＝読めればよい／途中で追記でもOK
“三日坊主でもやめなければ成功”という心構えでいこう。
モチベーションを保つための工夫
家計簿は「続ける理由」が明確なほど続く。「旅行費を貯める」「引っ越し資金をつくる」など目的を決めよう。目的があると、お金の管理が前向きな行動に変わる。
🟨 目標：月1万円の貯金
→ 説明文：達成時のご褒美＝お気に入りのカフェで過ごす
🟩 目標：半年で旅行資金
→ 説明文：達成時のご褒美＝旅行先パンフをノートに貼る
🟦 目標：無駄遣いを減らす
→ 説明文：達成時のご褒美＝お気に入りの文房具を買う
「頑張った自分を褒める」ことも習慣化のコツ。
ノートに「できたことリスト」を書いて達成感を積み上げよう。
アプリや付箋を使ったゆる管理術
忙しいときは、アプリや付箋を併用してよい。大事なのは記録を残し続けること。
🟨 ツール：付箋
→ 説明文：使った金額をメモしてノートに貼る
🟩 ツール：スマホメモ
→ 説明文：買い物のたびに金額を記録
🟦 ツール：家計簿アプリ
→ 説明文：レシート撮影で入力を簡略化
あとで時間があるときにノートへ転記すればOK。
「無理をしない方法」を見つけることが、長く続ける一番の近道である。
まとめ：ざっくり家計簿で「気づき」と「安心」を手に入れよう
ここまで、ノートで始めるざっくり家計簿の方法や続けるコツを紹介した。最後にポイントを整理する。
🟨 ポイント：家計簿の目的
→ 説明文：お金の流れを知り、無駄を発見する
🟩 ポイント：ざっくり家計簿の魅力
→ 説明文：手軽・シンプルで続けやすい
🟦 ポイント：ノート管理のコツ
→ 説明文：大まかに書き、月末に振り返る
🟧 ポイント：節約の基本
→ 説明文：固定費から見直し、無理せず工夫する
🩵 ポイント：継続の秘訣
→ 説明文：完璧を求めず、できたらOKで続ける
ざっくり家計簿は、「自分のペースで暮らしを整えたい人」にぴったりの方法である。お金の使い方を“見える化”することで、節約だけでなく心にもゆとりが生まれる。
続けるうちに、「無駄が減った」「貯金が自然に増えた」と感じる瞬間がきっと訪れる。
ノート1冊から始まる家計管理で、暮らしはもっと心地よくなる。